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ブログ 〜出を待つ深窓の佳人〜

ユリに”がく”がないのはなぜ?

  • 執筆者の写真: kakoenaichi
    kakoenaichi
  • 2023年11月10日
  • 読了時間: 2分

ユリの特徴として、大きな花弁がありますよね。あれって何枚あるのでしょうか?贅沢ですが1枚ずつまくって数えてみましょう!

1枚、2枚、.....6枚ありました!

、、、ん?なんかおかしいですね。


昔学校で、植物には花びらの外側に”がく”と呼ばれる器官があると学びませんでしたっけ?


これは被子植物の模式図ですけど、花弁の外側に確かにがくがありますね。

では百合はどうでしょうか?


花弁の外側にがくと思われる器官が見当たりませんね。なぜでしょうか?もしかして進化の過程で退化してしまったのでしょうか?


実は写真の中にがくはあります笑

わかりやすいように OTザンベジの写真にしていますが、花びらにも真っ白のものと少し色がついているのと2種類見えますよね。この色がついている方が植物形態学的にはがくです。より詳細に言うと、前者が内花被で後者が外花被と呼ばれます。


ただ、どうみても花びらにしか見えないですよね。。この感覚って実は合っていて、科学的には同じ遺伝子が発現しています。


急に小難しい話をするなと思ったそこのあなた!すいませんでした笑

ざっくり言うと、遺伝子とは生物の形や特徴を生み出す設計図のようなものです。花びらを赤くする遺伝子や人間の目を作る遺伝子など様々あります。


そこで植物の花器官を構成する遺伝子を見てみましょう。


一般的な植物の花器官

花器官はA, B, C, E遺伝子から構成させています。この図の見方としては、左が花の外側、右が内側を示しています。複数の遺伝子が同時に作用することでがく、花弁、雄蕊(おしべ)、雌蕊(めしべ)が形成されます。




そして以下がユリの遺伝子になります。


ユリの遺伝子


B遺伝子の範囲が広がっているため、先ほどがくだった部分が花弁に変化していますね!

これがユリにはがくがない理由です。


詳しい情報については、新潟大学のプレスリリース及び論文を参照ください。


ちなみにチューリップとかも同じ原理でがくの代わりに花弁が形成されています。


それでは、また〜!






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