あきたこまちRを救いたい
- kakoenaichi
- 2023年11月20日
- 読了時間: 2分
最近農業界隈で話題になっているニュースがあります。
それは「令和7年からあきたこまちがあきたこまちRへ全面切り替えされる」というニュースです。
要するに品種改良していい形質のものができたので、そっちに切り替えます〜という内容です。例を挙げると、今まで旧型プリウスを販売していたけどマイナーチェンジした新型プリウスを今後売ってきますね!といった感じです。
これ、名前にRがついたから話題になっているというよりも、あきたこまちRがどのように品種改良されてきたか、が問題になっているようです。
それが、放射線育種というものです。
たぶん名前のイメージで危ないって考えている一部の人が問題視している気がしますが、結論からいうと安全で古典的な品種改良方法だよってことを今回はお伝えしていきたいと思います。
◎そもそもあきたこまちRとは?
あきたこまちRとは、「あきたこまち」と「コシヒカリ環1号」を掛け合わせて、その後さらに「あきたこまち」を7回戻し交配した品種になります。厳密に言うと今現在出回っている「あきたこまち」と厳密には異なる品種なのですが、基本的な性質はほとんど変わらないので、一般消費者が店頭で見かける品種名は「あきたこまち」のままです。
じゃあなんでそんなめんどくさい(品種作った方、言葉が悪くごめんなさい笑)ことをしたんかと言うと、米がカドミウムをより吸収しやすくなった性質を持てるようになったためです。カドミウムは一定以上になると有害な化学物質なので、日本でも基準値が決まっています。しかし、海外の基準値は日本よりも厳しい場合もあり、低吸収米の方が国内はもちろんですが輸出する際のメリットになる、と言うことです。
この品種を生み出すために、放射線育種という方法を用いているのですが、文字を誤解して誤った情報を伝えている方もいるので、簡単に仕組みを説明します。
◎放射線育種について
簡単に説明すると、稲に放射線を当てて突然変異を人為的に引き起こす、ということをしています。ショックを与えて変異を起こす、といったところでしょうか。
この手法はかなり古典的で、詳しく説明はこちらからご覧になれます。
結論からいうと、人体にはなんの影響もありません。というのも、あくまで変異種を生み出すときに使ってるだけで、栽培中には使用していないからです。
なかなかこれらの誤解が解けずに誤った情報を発信してしまう場合があるので、注意が必要です。
それでは、また〜!
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