【不思議】面白いものを見つけてしまいました。
- kakoenaichi
- 2024年2月6日
- 読了時間: 2分
圃場内を歩いていたらところ、ちょっと面白いものを見つけてしまいました。
それがこちら。

ユリの茎の上部分に茶色っぽいもの見えますよね。これ、実はむかごなんです!
むかご(珠芽)とは、葉の付け根部分にできる球状の芽のことで、よく山芋とか長芋とかにできるやつです。あの地方てたまに食べているやつですね。
いや、でもユリでむかごができるって聞いたことあまりありませんよね。出荷するユリにすら付いていないのに、これはどうなっているんだ?と疑問に思いませんか?
これは簡単に説明すると植物ホルモンの働きによるものであります。植物ホルモンとは、植物体内の代謝等に関与する化学物質で、今回の鍵になるのがオーキシンとサイトカイニンです。
この2つの植物ホルモンは、植物の頂芽優勢という仕組みでは重要な役割を持っています。頂芽優勢とは、頂芽の成長が優先される一方で側芽の成長が抑制される現象です。この頂芽を促進させるのがオーキシン、側芽を促進させるのがサイトカイニンです。
普段は頂芽ではオーキシン(頂芽で合成されています)によってサイトカイニンは抑制されていますが、頂芽が無くなった、すなわち茎を切断した場合はどうなるでしょうか?
そう、オーキシンが合成されないのでサイトカイニンの抑制が解除されます。サイトカイニンは側芽の成長を促進させ、それがむかごの形成に繋がったというロジックになります。
この辺りの話ももっと深入りできますが、まずはこれぐらいの理解で大丈夫かと思います。
さらに面白いのが、オニユリと呼ばれる原種に近いユリではむかごが常に形成されているということ。すなわち、ユリ自体にはむかごをつくるポテンシャルがあるが、現在栽培されている品種ではそれが抑制されており、茎を切断した方によってその抑制が解除されむかごが形成された、という訳です。
たまには面白いな、と思ったことを科学的視点で捉えるのも面白いかと思います。
それでは、また〜!
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